言霊って昔から言われますが、確かに、と感じることがたまにあります。
私は薬局で働いており、毎日色んな患者さんとお話をします。その中で、毎回「若い頃はなんともなかったのに、60を過ぎたらあちこちガタが来るようになった」と話す方がいらっしゃいます。
私が働いているのは皮膚科の横の薬局なのですが、その方は他にもあちこち通われている様で、「旦那さんから『通院費が馬鹿にならないから辞めてくれ』って言われるのよ」とこぼしてらっしゃいました。
背の高い方なのですが、全体から受ける印象は弱々しい感じで、不安が強いのだろうなぁと伝わってきます。
身体の調子が悪いのは事実でも、自分で何度も「歳をとってガタが来た。原因がわからず良くならない。」と何度も口にすることで、自分でも益々、そうだ、やっぱりそうなんだと強く感じて、抜け出せなくなっているように見えます。
口に出して言うことで、しんどい現実がさらに辛いものになってしまいます。
話し方がとても優しくて素敵な方なので、なんとか気持ちが前向きになったらいいな、好きなことで穏やかな時間が過ごせるといいなと思うのですが、僅かな時間しか会わない私にできることは限られています…。
気持ちがこもった言葉というか、感情が乗せてある言葉は、それを実現させる方向に働くなぁ、と思います。
自分へかける言葉、 “セルフトーク”が自分を作る
私達は1日に約2万回、自分に話しかけていると言われています。
これを、セルフトークと言うそうです。
私はこれが得意/苦手
私は可愛い/可愛くない
世間は冷たい/優しい人がたくさんいる お金持ちは幸せだ/お金を持つと不幸になる
こういった、『私って、世の中って、こんなもの』という自分の中の常識(思い込み)は、日々の他人や自分からの言葉で作り上げられてきています。
他人の発言を変えることは出来ませんが、セルフトークは、今すぐに変えていくことができます。
たとえ上手くいかないことがあったとしても、まずはそれを認めて、
「それでも自分はすばらしい。」
と言うと良いそうです。
私もこれを3ヶ月ほど続けていますが、次第に【そのままの自分でいいんだ】、と思えてきました。
仕事が思うようにできなくても、
身体が思うように動かなくても、
疲れきってYouTubeばっかり観てしまっても、
そのままの自分で、すばらしさを発揮することはできます。
「そんなこと言われても私には何もないよ…」と思われるかも知れませんが、先程の患者さんは優しくて、私達スタッフを安心させてくれますし、誰でも、例えばコンビニで買い物をして「ありがとう」と店員さんにニコっとする事は出来ると思います。道端のゴミを1個拾うことだって、十分すばらしいことです。
【できないことがあるから自分はダメ】、なのでは無いです。本当に。
どのみち2万回言葉をかけるなら、呪いではなく、より優しい言葉にしませんか?というお話でした。
いつもつたない文章を読んで下さり、ありがとうございます。
ではまた。
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