昨日寝る前にふと、新卒で働いていた病院時代のことを思い出しました。
まだ卒業して数年、右も左もわからなかった頃。
でも働くのは大好きで、人一倍やる気はあって、病棟を担当させて貰ったこともあり、毎日はりきって仕事をしていました。
記憶に残っている患者さん
脳神経内科、外科を担当していたので、様々な難病の方が入院してきます。
その中には、私と歳がいくつも違わない、若い方もいらっしゃいました。
その患者さんは女性で、まだ30そこそこ、確かお子さんもいらしたと思います。
そこへ神経性の難病の告知、体調を崩されての入院。
ショックも大きかったのでしょう。もう人生に期待してない、(当時唯一とされていた)治療薬も使いたくないと仰っていました。
主治医とも話をされたのですがなかなか気持ちに変化が見られず。困った婦長さんが、私(薬剤師)に患者さんと話をしてくれないかと声をかけてきたのです。
話した詳しい内容は覚えていないけれど…
こんなデリケートな案件を持ち込まれて、普通は、というか今の私だったら、
(何を話したらいいだろう?私にできることがあるだろうか?)
と不安になるだろうと思います。
でもその当時、若くて世間知らず、怖いもの知らずだった私は、何も不安に感じること無く、彼女の病室へ向かったのです。
話していると、彼女はわっと泣き出して、「良かったー、ずっと不安で…。」と呟かれたことを覚えています。
少しずつ打ち解けて話していく中で、同じ患者さんの会に行ってみようとか、まずは薬を使ってから考えてみる、とか仰っていたと思います。
ここまで思い出した時、現在の私も、自然と涙がこぼれてきました。
あの頃の私は、未熟で周りに迷惑ばかりかけていたと思っていたけれど、そんな事もあったんだっけ…と、救われるような気持ちになりました。
若い私からのメッセージ
若い時は、働くのが大好きだった。
身体や頭を動かして、人の役に立つこと。そんな風になりたい、と理想を持って生き生きと働いていた頃もあった。
でも未熟さや至らなさから周囲に迷惑をかけてしまい、自分を責めたり。理不尽な要求をされて傷ついたり。
経験を積んだり年齢を重ねた分、傷つく経験も多くなります。私はそれに引っ張られ過ぎて、次第に働くことに恐れや不安、嫌悪感を感じるようになっていました。
でも、毎日仕事をしていて、当たり前にこなしていることでも、助けられている人は居るはずですよね。
そこを「大したことじゃない」と言わずに、もっと自分で評価してあげていいんだ、と思います。
日本人って、周りの人にはとても優しいのに、自分にはすごく厳しい人が多いと思うんですよね。
できていないことばかりズームアップするんじゃなくて、できたことを、あれは本当に良くできたと、むしろ何度だって褒めてあげていい。
他の人に言わずに、心の中で支えにするのなら自由ですから。
昔の若い私が、
「忘れてた?私もできてたこと、沢山あるんだよ。あなたもできること、沢山あるよ。」
と声をかけてくれた気がしました。
ありがとう。また明日からがんばろう。
読んでくださりありがとうございました。
ではまた。
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